コックリさんという遊び

コックリさんという遊び

香月が子供の頃、コックリさんやキューピットさんが流行っていました。

友達に誘われてやっていましたが1度だけ恐ろしい思いをしました。
放課後、エリ、マキ、ユカ、子香月、当時遊び仲間だった4人で数日に渡りコックリさんをやってしまったのです。

初日=おっかなビックリで1時間程で終わらせ特に何も起こりませんでした。
当然と言えば当然ながら霊もお狐様も見当たらないのですから。
「もしや?何か来るかな?」とは思ったのですが、私の事は守護する先祖霊が取り囲んでくれていますので簡単に近づける訳がないと確信していました。

2日目=要領を得て「何ちゃんは誰が好きですか?」等、人の事を聞いて面白がっていました。
メンバーの誰かが噂のとおり勝手に動かしている様でしたので遊び半分で付き合っていました。

3日目=メンバーの一人エリが自分の事を聞き始めたのです。
自分の好きな男の子のA君は誰を好きなのか?
結果、子香月の名前を指してしまったのです。
エリは明らかに顔色が変わっていました。

私は、正直慌てました。
エリは思い込みが激しく攻撃的一面を持っていましたので「嫌な展開になった」と思わざるを得なかったのです。
勿論、その日も霊やお狐様の存在は有りません。
恐らく、エリ自身が噂と自分の思い込みから勝手に動かしたのか?潜在意識がそうさせたのか?
今となってはわからないのですが・・・
その日コックリさんを止めて、帰り際にエリが
「子香月、あんた○○君の事好きじゃないと言ってたけど嘘でしょ!」と言い出したのです。
私は、「馬鹿な事言わないでよ!何とも思ってないし、噂があるらしいけど、あれは嫌がらせで他の男の子が言ったことだよ」
「ふう~ん、私が好きだって言ってるのに変な事しないよね?変な事したら恨んでやるから!」
エリは顔色を変えたまま真顔でそう言い残したのです。

その日の夜中、何か物々しい気配で目を覚ましました。
私の周りにいつもいる、守護の霊達が私を取り囲み、誰かを近づけまいとしている事を感じました。
何から?私を守ろうとしているのかと視てみると、そこには虚ろな目をした「エリ」がいたのです。
「嫌ぁ~エリ!!違うから、違うから!!何度言えばわかる訳?帰ってよぉぉー」
エリに睨まれたまま数時間が過ぎ、夜明けを迎えやっと眠る事が出来ました。

重い頭を抱え学校に行くと、エリの近所の子が、
「エリちゃん今日休むんだって。また、扁桃腺が腫れて熱が出て大変なんだって。朝一緒に学校に行こうと誘いに行ったらおばさんがそう言ったから」
マキとユカが私の所に来て、
マキ&ユカ:「ねぇー、コックリさんやったからじゃない?祟りかも、、、どうしよう、今度は私達に何か起きるんじゃないかと2人で話してたんだよ。子香月あんたどうもない?」
まさか、エリが生霊となって一晩中私を睨んでた!とも言えず、
「私は全然(笑)エリは元々扁桃腺悪かったし、昨日夕方寒くなったから風邪引いたんじゃない?」
ユカ:「そうかもね~エリね夕方、寒いって言ってたし、、、でも、A君が子香月の事を好きだとコックリさんで出たけど、あれは絶対エリが動かしていたと思うんだ!噂が本当か確かめたかったんじゃない?自分で動かしたりしたら祟りになるって聞いた事有るから、だから、エリは祟りで寝込んだんじゃないかなぁ?」
「祟りなんてないでしょ~(笑) エリは風邪、風邪 (笑)」
ユカは元々楽天的な方で納得した様子でした。

今冬に恐ろしいモノは何?

今冬に恐ろしいモノは何?

その日の学校の帰り。
マキとは家が近所で物心付いた頃から一緒に遊んでいた幼馴染で、いつも一緒に下校していました。
マキ:「エリの事だけど、私、昨夜、あんた(子香月)とエリが言い争いしてる夢見たんだよねー」
(ヤバイ!なんでそんな夢みるかなぁ~私が影響してるんだけど、、、マズイ)
子香月:「夢だよ。エリが帰り際変な事言ってたから、マキが気にしてくれてたから夢見たんでしょ!」
そんな話をしながら、藪際を通りかかった時

「マキ~、子香月~~」藪の中から女の声で私達を呼ぶ声がしたのです。
マキ:「ちょっと、誰かが呼んだよ!私達の事、藪から、、、」
子香月:「うん!呼んだ。でも、藪には誰もいないよね?」
二人で目を凝らし見ても誰もいないし、入れる様な藪ではなかったのです。

マキは血相を変えて走って家へ帰り始めました。
仕方なく、私も付いて走りましたが、声の正体はわかっていました。
あれは確かにエリの声だったのです。

エリに何か有ったことを悟りましたが、マキには話はしませんでした。
翌日学校で先生から
「エリちゃんは扁桃腺の手術をする事になり暫くお休みします」との知らせを聞いたのです。
祟りで病気になった訳ではなく、エリは思い込みが激しく、たまたま風邪から扁桃腺を腫らして高熱でうなされた体の弱りで生霊になってしまっただけです。
私達のコックリさんの顛末はこういう落ちでした。

コックリさんで本当に霊かお狐様が呼べるか真偽はわかりません。

私は子供でしたが、霊に対する認識を沢山持っていた為、コックリさん(何かの霊かorお狐様かは不明)を他の子が呼んでも、来られない様に守護霊達がガードをかけて遊びとして終わらせる事が出来て「悪い霊」を寄せ付ける事は有りませんでしたが、
心が弱っている人や霊媒体質の人がやってしまうとどうなるかわかりません!
コックリさん、キューピットさん、その類はやらないにこした事は有りません。
自分が悩んでいる心の隙間をどの様な霊に付け入られるかわからないからです。

そして、少しでも変な状態が有り、それを「祟り」だと過剰に反応して「思い込み”霊障”」を引き起こし精神を病むかもしれないという危うさは否定出来ないのです。

祟りよりも、謂れのない話が独り歩きを始めて人間関係に支障を来すかも知れないという事実も忘れてはいけないのです。
君子危うきに近寄らずです!!

実は、この体験から「生きた人間の心の方が私は数倍恐ろしいもの」だと思いました。

それから、コックリさんの類は2度とやっていません。

プロフィール

谷川 香月
谷川 香月代表 / メインスピリチュアルカウンセラー
熊本県熊本市の霊能者・香月が霊能力によるスピリチュアルカウンセリングやご相談をお受けしております。占いや心理カウンセリングでは分からない事でも、あなたの悩みを解決に導きます