人生の選択と今を生きるという発想

プロカメラマンさんになるには

ある、プロカメラマンさんと一緒にお仕事させて貰った折、修行時代の師匠の弟子の扱いの話になりました。
「今は、あれやると（昔の師匠みたいに厳しく）明日から弟子（アシスタント）来なくなるから(笑)」
「俺らの時は教えて貰うってことなかったなぁ～見て覚えろが当たり前だったから」
「あれに耐えたから今が有る。やっぱ師匠は師匠だよな～」
「当時はアシスタントの給料が安くてね。飯食えなくて、、、（涙）」苦労話、貧乏話を面白可笑しく話して貰ったのです。

その話をされる時は時間軸の経過を懐かしく思い出されていました。
こうして怒鳴られ、叱られ、（蹴られ）・・・カメラさんは手が離せないし違う音声が入ると使えなくなるので話せないのでアシスタントに指示出すのに足で蹴るしかないそうです。
「師匠、容赦なく思いっきり蹴るから痛いのなんの(笑)だから酷ければ半日でいつの間にかいなくなって来なくなるヤツ随分いたなぁ！」
この部分は今となっては笑いながら話されていましたが・・・
昔ながらの徒弟制度の中で何が有っても頑張って目標を叶えられた方のお話です。
苦労の話をこんなふうに話せる人って奥が深くて人の心の有り様を捉えてる人なんだとしみじみ
思います。
このカメラマンさんが言われていた事で心に残ったことがありまして、
「たまに忙しくて師匠に応援お願いする事が有るんですけど、2人で別の角度から撮影する場合、粗方の打ち合わせだけで師匠なら必ずこう撮るっていうのが判るから、自分の頭の中で編集後の物を意識しやすいですし、綺麗に撮影できるんですよ。そうすると編集もかなり楽になるんです」その様な事を言われていたと思います。
今は師匠の元から独立して師匠と同じ土俵でプロとして活躍されている方です。
この場合、かつてのお弟子さんがメインを務められることになるのだそうですが、
師匠に対する信頼がそこには存在していて、そして師匠も一緒に仕事が出来る事を心からお喜びになるんだろうな～と思ったお話でした。

阿吽の呼吸・・・ってやっぱりどこの世界でも大事ですね。

かつての香月の目標は・・

かつての香月は、
先生から仏門への道を示され私も切望しましたが、家族の反対等有り諦める事となりました。

私は今はそれで良かったのだと思います。

自分のしたい事が出来るかという事は、回りの環境により左右されます。
夢は叶っても誰かが困るようでは意味がない様に思います。
自分勝手と自由は違うという事です。

自分の目指した仏門への道を歩まなかったけれど、それでも、今の霊能者への道は閉ざされる事は有りませんでした。
確かに「なぜ？私には自由はないのか？」と考えたりクサった時も有りました
それでも、仏門とは違うけれど霊能者としての道を歩むことになりました。
信仰だけは続けて来れたからです。

これは私がこちらの世に来る時に「私自身が選んで来た道」なのだと思います。

「私自身が選んで来た道」を確信して、やっと仕事として出来る様になったのが「今になってしまいました」それでも自分は家族の一員としての役目を終わらせる事で得た自由なのだと思います。
今は、始めるのが遅くなったからと誰を恨むでもなく後悔も有りません。
家族の事情が有ったにせよ、説得されたにせよ、仕方なくだったにせよ、私自身が決めた事です。
そして、私が「香月として現役」でやれるのもそんなに残された時間はないのかも知れません。
それでも全く焦りは有りません。
自分の環境における役割を果たせたからこそ、得た自由をありがたく享受させて貰えているのだと思うからです。

「今を大切に生きて行きたい」と思う事は決して焦ったり、無理を通す事でも何でもないのではないかと思えます。
人は共存して「生かされている」という事実を川の流れの如く自然に受け入れる事を「諦めた生き方」とは決して呼ばないという事ではないでしょうか。

夢が叶わなくて、どうあがいても取り戻せない過去に自分を縛るより、今の自分の居場所の中で足元を見て生きる事に意味が有る様に思います。
その理（ことわり）を理解して着実に前進しようと思っています。

目標を叶えたカメラマンさん、当初とは違う選択をすることになった香月、どちらをとってもクサったり、考えたり、泣きそうになったり、苦労したりと過程は違えど、その場の環境の中で精一杯やって来た事だけは確かです。
そしてそれぞれの仕事をプロとしてやっています。

これから、就活等でご両親、ご本人さんのお悩みが多くなる時期です。
目的が叶うor叶わないは勿論有ります。
これは人生の通過点での目標の一つです。
人にとっての最終の目標は「生きる事」だと思います。
そしてそれは「生かされて」「生きて行く」のではないでしょうか。
「今をどう生きるか」を大切にしていきたいと思います。

何気ないけど、深く考える機会を得たプロカメラマンさんとの会話でした。