十六夜・・・いざよい
十五夜の月もとっても綺麗でしたが、私は十六夜の月が好きです。
月が満ちて少しだけ欠け始める、でも見た目には判りずらいと思います。
完璧より少し欠けている、愛嬌があっていいと思うのです。
また、満月のお祭りの後の静けさ・・・
静謐さの中にも煌々とした美しさ・・・
欠けて行く儚さが、胸を妖しく動かすのでしょう・・・
源氏物語の中で、葵の上、紫の上、夕顔は八月十五夜の頃亡くなっている設定だったと思います。
月の満ち欠けと生死は、昔から関連付けられていたという事なのですね。
葵の上は嫉妬に苛まれた六条の御息所の生霊によって命を落とした訳ですが、
「生霊って物語の中の世界ではないんだ」と思ったことがありました。
生霊に関しては取扱いがとっても難しい分野です。
出来れば関わりたくないと思ってしまいます。
私が師匠の下で霊視をしていた時の事です。
ご相談者の女性にべったり抱きつく様に憑いている男性を視てしまいました。
「先生、、、男の人が、、、これが生霊ですか??」
「うん、そうだね、もう視なくていいよ」
ご相談者の女性には「憑かれるだけの事情がありましたので」師匠はその方に懇々と諭すお話をされていました。
その後生霊を抜いたのですが・・・
師匠に生霊の取り扱いについてしつこく言われた事があります。
「相手は生きている人でほとんどの場合無意識でやっている事。思いの強さが生霊を生んでいる。必ずしも恨みで憑く場合だけではない事。背景をきちんと見極めないと難しい。母親が子供の事を心配するあまり生霊になってしまっていた例を知っている。拝み倒して抜けば良いものではないから注意するように!加減が難しいし、やり過ぎれば相手の本体に影響を与えてしまう事もあるし、一歩間違えば死なせてしまう可能性も視野に入れる様に」
いくつかの方法が有りますが、
私のお弟子さんが生霊に悩まされていたことがありました。
お弟子さんの時は、彼の「仕事上での優しさに頼り切ってしまったお客様の思いの強さ」が原因でしたので、師匠のお話をして「軽く根っこを動かす程度」で力の加減を6割で向かいました。
後は、お弟子さんのお客様に対する不必要な「同情」を止める事とフェードアウトする方向性で事をおさめました。
軽く生霊の「根っこを動かす」事をした時、彼の言葉では
「体がグラッとしました。これが抜くという事なんですね・・・」
「そう、でもね~完全じゃないから!お客様は無意識だから危ない事出来ないからね。後は、あなたのやり様次第の所迄ね~あなた自身が不必要な「同情」が生んだ結果だよ。最後まで責任取れる訳ではないのなら、いつかは放り出す事になる訳でしょ、、、だったら余計な事はかえって相手に期待を持たせるだけでしょ。これからの自分の考えをきちんと持って適度な距離感で仕事していったらどうかな?」
彼の名誉の為に書いておきますが、女性との恋愛沙汰ではありません!
お客様はご高齢の女性で、彼の優しさが行き過ぎた結果でした。
優しさの示し方を間違えるとこんな案件を引き起こすというお話です。
お弟子さん曰く「女の人ってやっぱ怖いな~」
「私も女ですけど・・・(笑)」
「あ~香月さんは見た目そうですけど、中身は男の所あるし・・・ねーちゃんがいたらこんな感じなんだろうな~(笑)」
今は、懐かしい会話となりましたが・・・
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