エルちゃんはフレンチブルドッグのブリンドル8歳の女の子でした。
ここまでに何回もあの子の事を書こうとしてきましたが、少し書いては止めて下書きで保存したり、削除したりでとうとう今日まで記事として完成させる事は出来ずに来ました。
まだ、あの時の1年弱の期間の事は上手く書けそうになく、ここでは端折って書かせて貰おうと思います。

元々私は犬が好きでビションを飼っていましたが、亡くなってそれがショックだった事で「犬はもう飼わない!あんな思いはもうしたくない!」となっていました。
家族の転勤が決まり、引っ越す事になり犬を連れて行けませんでした。
元気な時は弟夫婦が預かってくれて、病気になってからは母が引き取り点滴や検査やらと相当回数病院に通い面倒をみてくれました。
祖父母が亡くなって飼っていた犬と私のビションと「2匹の病院通いをして50~70万は病院代に掛った!」と今でも言う程です。
私は最後まで面倒を見る事が出来ずに亡くしてしまった負い目をずっと感じていました。

ちょうちん

犬はどの子も天使です

エルちゃんは弘俊さんが千葉から連れてきた2匹のフレンチブルドックの1匹でした。
保護犬を熊本に来る少し前に引き取りました。
2匹が一緒に飼われていたという事で、離すのも可哀そうで同時に引き取ったという経緯が有りました。

熊本に来て暫くした頃病気が判り、2度の手術をしたためもう1匹のオスのフレブルと一緒に置いては暴れるので、傷に触るという事でウチで預かっていました。
エルちゃんは、脾臓に出来た悪性腫瘍を取ってはいましたがそれが肝臓に転移していて少しづつ腹腔内出血を起こしていました。
動物病院から「これ以上の外科的治療は負担になるだけ」との事で対処療法で行ける所まで・・・と言われ、あの時はショックで弘俊さんと家族と泣いていました。
家族と話した事は、
昔、ビションをちゃんと最後まで面倒みれなかった事・・・それは人には「ペットを飼う責任」と言う物が有ってそれを他人任せにした事は必ずどこかで何かをする必要が有るのではないか?」という考え方でした。
母は週に何回も病院に通いやれるだけの事はやってくれて、可愛がってくれたので状況的には可哀そうな亡くなり方を決してさせたとは思っていません。
母は「やれるだけの事はしたので後悔はない!」といつか言っていました。
本当に感謝しています。
母の問題ではなく、私自身が抱えて来た後悔と言う心の闇をリアルに感じてしまったのです。

今ここで最期を迎えようとしている命と向合って「少しでも幸せな記憶を残してあげたい」と皆で話し合いました。
自分の心の闇をどうにかする為にというより、何か出来ることをあの子の為にやって行きたいと願ったのだけは確かです。
ビションに対してあの時は出来なかった事が今なら出来る環境が有る!だったら全力でやる!
泣いていても始まらないと、そこからエルちゃんの看病がスタートしました。

エルちゃんのご飯は手作りの特別メニューにして、散歩は止められたので出血が起こらない様暴れさせない様に様子をみて。
いつも極力誰かが一緒にいる様、どうしても1人にする時は出来るだけ1時間以内で帰る等・・・
状態が悪い時入院すると、動物病院が近かった事や深夜まで診療している所だったので毎日エルちゃんの様子を見に動物病院に通いました。
慣れない環境で、寂しい思いをしていないか?ご飯をちゃんと食べてくれているか?病状が本当に心配でした。
退院してからは、出血が始まると震えが突然起こりました。
すぐに病院に駆け込んで止血剤を打って貰うという日々が続きました。
数回でしたが、1日独りにする時は動物病院のペットホテルに預けていました。
状態を解ってくれていたので、必ず人が居るナースステーションの中に置いてくれて様子を見て下さった事等本当にありがたかったですね。
動物病院の方のご配慮、人の優しさが不安な気持ちを癒してくれる事を改めて感じました。

私が仕事の時は、弘俊さんか家族が交代でエルちゃんといるとか、スケジュール調整がきいた事で何とか乗り切れた様に思います。
眠る迄ずっと撫でて、夜中も数回起きてエルちゃんの様子をみて。
抱いてオシッコしに連れて行って。
家に居る時は「エル~エルちゃん~~」って出来るだけ声を掛け。
抱っこが好きだったので出来るだけ交代で抱いて。ずっと側から離れなかったので何でも一緒にやって来て・・・
家族が家でパソコンに向かうと必ず膝に乗ってマウスを持つ手に顎を乗せていました。
下ろすのも忍びなく、体重が8~10kgは有ったせいで腕が痺れるまで抱く事になっていました。
私は私で抱き過ぎて元々から持ってる腰痛が出てしまい、寝ていると一緒に寝てくれて。
それでも膝に乗りたがるので抱っこして色々お話しをしていました。
1年弱、あの子が家に居る生活でしたが、3年にも5年にも感じる濃い生活を送った様に思います。
思い出は沢山です。

エルちゃんには本当に感謝しています。沢山の癒しを貰いました。

あかり

ずっと忘れない・・魂が安らかで幸せで有ります様に!

家族が「エルちゃんは俺達がやり残した責任を改めてやり直させてくれる神様みたいなものだなぁ~やれるだけやって行こう」
そう言った時に私は、
因果は巡る。。その言葉が浮かんできました。
以前のビションに今更返す事は絶対不可能だけれど、どこかで(誰かに)いつか返すチャンスを貰ったと思って誠心誠意お世話をしよう!きっとこれは自分の後悔や過ちや心の闇を見つめるチャンスをお大師様が下さったに違いない。
そして「色んな事を考えてこれからの糧とするように」というお導きなのか・・・?
私が自分の後悔と正面から向合い、その中で自分を見つめて行く事で
「考えた事をカウンセラーとしてもそれを誰かのお役に立てる様になりなさい」
と言われている気がしました。

エルちゃんが他界して、
独りで家に居ると「エル、エル~エルちゃん」と言いながら家の中を探しまわり
「エルちゃんがいない、、、」と泣いてみたり。(この行動は半年位続いたと思います)
完全なペットロスの始まりでした。
仕事がなければ私は寝込んでいたのかも知れません。

数日後少し自分を取戻し、緊急避難をする事にしました。
エルちゃんを探して悲しくなる自分に対して
「動物病院に入院しているからここにはいない!面会謝絶!だから病院でも会えない・・・」と言い聞かせる様にしました。
それでだましだまし頑張って行ってみました。

色んな事を落ち着いて考える様になってきた、三・七日(21日後)頃ご供養のお勤めをしながらふと考えたのです。
私達がいつまでも泣いていたら、きっとあの子が心配する事を!

スピリチュアル的には、次のステップに入っているので心配する事は無いと解っていましたし、送る方がめそめそしてあの子が踏み出した1歩を邪魔してはいけないセオリーをしっかり思い出しもしました。

動物は言葉が無い分人の感情に敏感です。
深い繋がりが有った分、家族を守ろうともしますし、悲しんでいれば側にいようともします。
頭では解ってました!それでも・・・色々な寂しさからは逃れられず。
家の中を探す行動は続きましたが、言葉で呼ぶ事は止めて目で探す事だけに留めました。

「ペットを飼う」って言いますが、飼うんじゃなくていつの間にか自分が、いつも側にいてくれる状態に依存してしまっていたんです

腐っても鯛ではないですが、と大きな事は言えないですが・・・
私もスピリチュアルに関わる者として、どうすれば良いかなんて頭では知り過ぎています。
心が付いて来ない状態ながらも、何か意味をもたせたかったのでしょうか?
飼い主の最終的な責任について考えてみました。
自分に言い聞かせていたとも思います。
楽しさ、幸せ、癒しを無条件に沢山くれた優しい子だから、亡くなっても幸せでなければならないのです。
こちらの執着で心配させて行くべき道を誤らせてはならないですし、時期を逸する事になってもいけないのです。
一般的には、次のステップにキチンと進める様に四十九日迄には心の整理を着けて送り出してあげなければならないのです。
それが四十九日の儀式なんですね・・・

ですが、四十九日迄は普通はここに居てくれるはずがあの子は特殊な事情を持っていたのでもうここにはいない・・・早すぎる(泣)
(その事情はスピリチュアル的もので、書ける時が来たら書いてみようと思いますが、実はまだ、、辛い気持ちが先に立って筆が進むかどうか自信がない所が有ります)

非常に難しい事ですが、行くべき場所へ確実に送り出してあげる事迄がペットに対する家族のつとめであるのでしょう。
あの子にしてやれる最後の愛情表現は、心配をかけないで済む様に自分のやるべき事を見据えて生きて行く事の誓いと感謝を捧げ、あの子の今後の幸せを祈って行くご供養なんだと思います。
今でもあの子の事を考えるとどうしようもなく寂しくなります。
毎月の月命日かその前後にはペット霊園に会いに(お参りに)行きます。
「エルちゃん来たよ~」って!!

エル

エルちゃんのウチでの居場所はずっと有ります

あの子のお世話をしたからと言って自分のしたことから逃れられたとは今でも思えません。
後悔や自己嫌悪、自己満足のなれの果てなのかも知れませんが・・・
そして、以前亡くしたビションとエルちゃんは全く別で
それでも、一つの命の最期を皆で看取れた事の意味と一緒に過ごした時間がとんでもなく大切なもので有った事、自分と向合うきっかけをくれた神様で有った事、「いない・・という事実」と薄れない哀しみ・・頭で解っていても心が付いて来ないジレンマ等々・・・
私自身とカウンセラー香月としての成長の糧を貰った気がします。
あの子の命という大切なモノから学んだ事を必ず何かに繋げて行こうと思っています。

最近はエルちゃんのお供えがどんどん増えます。
コロナの影響で対面を休止していますが電話やリモートでカウンセリングを継続しています。
お客様が色んなお菓子を送って下さいます。
本当にありがたい事です!感謝申し上げます。
あの子はお菓子が大好きだったので、送って下さった方のお心と共に1個づつお供えしています。
「これはね~〇〇様から頂いたよ~おいしそうだね。エルちゃんのお菓子だよ」
写真にお話しながら・・・
お客様の優しさがあふれる色んな種類のお菓子達で賑やかです。

プロフィール

谷川 香月
谷川 香月代表 / メインスピリチュアルカウンセラー
熊本県熊本市の霊能者・香月が霊能力によるスピリチュアルカウンセリングやご相談をお受けしております。占いや心理カウンセリングでは分からない事でも、あなたの悩みを解決に導きます