大晦日の不思議

大晦日の不思議

12月31日というのはやはり特別な意味を持った日だと思います。
クリスマスを過ぎて1週間足らずで迎える事となるのですが、それまでの数日は毎年非常に忙しい毎日になっています。
まずは新年の食べ物の準備と掃除ですね。
簡単ながらもおせち料理を作ったりはするので、買い出しのメモを頼りにあちこちに欲しい物を揃えに走ります。
大晦日になると煮物を作ったり、雑煮の準備を始めます。
出汁をとったり野菜を煮た柔らかい匂いが部屋に立ち込め外の寒さで窓が曇ります。
私にとっては大晦日の定番でこれが無いと雰囲気が湧かないのかも知れません。
そして、お屠蘇の準備をしたりすると一層華やいだ気持ちになります。

あれは・・・私が小学校の4年生位の時の話です。

早めにお風呂に入り、年末定番のすき焼きを食べてコタツでぬくぬくしながら紅白歌合戦を見ていました。
いつの間に眠ったのか?ゆく年くる年が始まっていて、テレビの除夜の鐘の音で目が覚めました。
「そうか~そばを食べなきゃ」そう思っても少し眠くてグズグズしていると
年が明けるから起きる様に祖父から促され、
「トシガミさんが家にお出でるから蕎麦を振る舞って、餅をお供えするけど、オマエじゃなきゃ出せないから、床の間の鏡餅の横に有る、小さい方の餅がお供えしてあるのを持って来て」と言われ取りに行きました。
確かに鏡餅とは別に小さい三方に、スルメや干し柿やゆずり葉、ウラジロ、餅に葉付きみかんをのせてお供えして有りました。
三方ごと持って帰ってくるといつの間にか小柄な白い着物を来たお爺さんが、私が寝ていた所に座って蕎麦を食べていました。
「この人がトシガミさんかぁ~こんな夜中にいつ来たんだろう?」
不思議に思いながらも「こんばんは」と言うと
「はい、こんばんは~今年は儂が見えているんか?蕎麦食べたら、まず酒を馳走になるから注いでおくれ」
と言われました。
「じいちゃんの友達かな?」と思いながらも、何となくそうしなければいけない気がして、
置いて有ったお屠蘇を注いであげました。

お正月の準備はどこか今でも楽しいです

お正月の準備はどこか今でも楽しいです

何やら?身体をゆすられ私はコタツの中で目を覚ます事になったのです。
「なんだ夢か~?」と思いながら起きると湯気がホカホカ上がった蕎麦がコタツに用意して有りました。
ゆく年くる年は終わり、12時を20分程過ぎていた所でした。
「トシガミさんは?」と聞くと怪訝な顔をされましたが、夢の話をすると・・・
起こしてもどうしても起きないので皆で今蕎麦を食べ終わって、私にも食べさせようとやっと起こした所だった事が判りました。
さて、祖父の友達の「トシガミさん」とは「歳神さん」=「歳神様」の事ではないかと言われ、「会ったのか?」と聞かれ「うん!!」と言うと「それは良かった。オマエにしか見えないな」
しかし、夢かもしれないと思っていたのですが・・・

蕎麦のトッピングが歳神様が食べていた物と同じだったのです。

その年は珍しく、茹でたほうれん草がアクセントにのせてあって、サツマイモと人参のかき揚げ、ギザギザの白いかまぼこ、長もやし、柚子の皮という物でした。

例年ならきざみ葱、キツネあげ、柚子の皮、渦巻きのかまぼこ、長もやしが定番でした。

聞いたら、ネギをすき焼きで間違って全部使ってしまったので仕方ないからほうれん草を茹でたらしく、さつまいもは貰ったから初めてかき揚げを作って入れる事にしたそうです。
白いかまぼこは、簀巻きの仙崎かまぼこ(だから周りがギザギザしていた)これはこの年だけの特例でした。

・・・夢ではなかった様な気がします。確かに私は特例尽くしの蕎麦のトッピングを知っていました!!

歳神様と話していた時は、そう言えば家族の誰もその場に居なかった事に気が付いたから!!

その年以降、歳神様とお会いすることは有りませんが、あの時の光景は鮮明に今でも思い出せます。
しかし、「歳神様」を「じいちゃんの友達の(仮:伊藤さん)と同じ扱いをしていた私は子供とは言え申し訳ない気持ちになります。
年末になると思い出す不思議な体験です。

良いお年をお迎え下さい

良いお年をお迎え下さい

プロフィール

谷川 香月
谷川 香月代表 / メインスピリチュアルカウンセラー
熊本県熊本市の霊能者・香月が霊能力によるスピリチュアルカウンセリングやご相談をお受けしております。占いや心理カウンセリングでは分からない事でも、あなたの悩みを解決に導きます